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2009年08月14日

8.東京出張(7)


 驚いたことに吉森はニヤニヤしながら、「龍、意外とやるじゃん。」とのんきに答えた。
 吉森、新田、その他のメンバー全員で廃店舗へと急ぐと、中では長谷が鬼のような形相で大暴れしている最中だった。
 そこには、長谷の他に10人ほどの仲間のメンバーもいた。
 しかも柿崎は、廃店舗奥のソファーに座って暇そうにその様子を眺めていた。
 柿崎が龍達に気付くと、「なんだ、龍。お前、来ちまったのか・・・。」柿崎が大笑いした。
 実は柿崎、吉森、そして長谷は事前に打ち合わせていた。
「どうせ奴らはまともにタイマンやろうとは思ってネーだろうからな。」
 が、念のため長谷が5〜10人程度も連れて待機していれば、簡単に片付くと計算していた。無駄にメンバーを動かして大事にするより、手際よく、目立たずに済ませてしまおうという腹だった。
 が、何も知らされていなかった、当時まだ新入りの新田は柿崎のことが心配でたまらなかった。
「柿さん・・・。」恥ずかしさのあまりに、新田の顔が一気に赤くなっていった。


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posted by 北乃 道晴 at 08:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 8.東京出張 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

8.東京出張(8)


「なんだよ。吉森がここに入る前に追い込まれるパターンまでは想定してなかったからな。助かったよ。」柿崎が新田を気遣って言った。
 ただ吉森なら1人でも、長谷達が助けに行くまで30分くらいは裏倉庫で篭城していられると柿崎は思っていたが。
「吉森、楽させてもらったな。」柿崎が笑った。
「龍の奴、ずいぶん手際が良かったですよ。思わず笑っちまいました。」吉森が新田の頭を撫でて言った。
 店内に居た相手チームのメンバー全員を横倒しにした長谷が、頭から湯気を上げながら柿崎の座っているソファーに歩み寄ってきた。
「勝手なことしやがって・・・。身内に怪我人、出させてないだろうな?」長谷が新田を睨んで、そしてすぐに嬉しそうに笑った。
 吉森の家族が先に寝静まったあと、吉森と新田はベランダに並んでタバコを吸っていた。
「あん時は、意外とやばいかな・・・と思ったんだぜ。柿さんが先に廃店舗に入った途端、俺だけ外に取り残されたままドアを閉めて襲ってきたからな。あんなに早く仕掛けてくるとは予想外だったからな。」と吉森が懐かしそうに言った。
「でも、帰りに食ったラーメン。美味かったですよね。」新田も楽しそうに思い出していた。


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posted by 北乃 道晴 at 12:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 8.東京出張 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

8.東京出張(9)


 翌日の金曜は早朝から大忙しだった。
 整備工具の搬入に始まり、差し入れが入ったダンボールの搬入・準備、赤丸タクシーの社員たちへの挨拶や愛車の点検作業、簡単な調整やタイヤ交換の手伝い、等々。
 特に、慣れていない新田は、あっという間に体力を消耗していた。半袖の作業着も汗でビッシリに濡れており、ダンボール運びの最中にふらつくことも増えていた。
「ようやく何台か走り始めたな。」吉森がパドックからコースを覗き込んで言ったとき、まだ朝8時を回ったばかりだった。
「今日は暑くなりそうっすね。」メカニックのサカキが吉森に言った時、新田はまだ朦朧としながら段ボール箱の移動を続けていた。
「龍、大丈夫かぁ?」気付いた吉森が、笑いながら声をかけた。
「あー、え?ええ、平気っすよ。」夢中で作業をしていたため、新田は自分自身の消耗に気付いていなかった。
「ははっ!さすがに運動不足って顔してるよ、龍。」
吉森が笑って、
「もう少しのんびりやれよ。」と言った。
「はあ・・・。」あまりピンとこなかったものの、残るダンボールの移動だけは済ませてしまおうと新田が作業を再開したとき、新田に声をかけて男が近づいて来た。


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posted by 北乃 道晴 at 17:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 8.東京出張 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする




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