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2009年08月18日

10.A級ライセンス(1)


 その日の夜、合宿所で参加者全員で夕食に向かっている最中に講師が話を始めた。
「えー、今日はご苦労様でした。コースアウトした車両が何台かありましたが・・・」
 ここでドッと笑いが起きた。初日が終わった安堵感も手伝ってのことだ。
「その方達にも、サイドタイムアタックして頂くことが出来、本日を持って皆さんはB級ライセンスを取得したことになります。」講師が笑顔で伝えた。
「おー、B級だって。なんか気分いいなぁ。」モトハルがエビフライを口に咥えたたまま嬉しそうに言った。
「本日のタイムは、食堂のそこに貼っておきました。あとでゆっくり見てください。」
 講師が指差した食堂入り口の横に、A4サイズの紙が数枚貼り付けられていた。
「ちなみにベストラップは先導車をやらせて頂きました田町君。うちのクラブのエースドライバーです。」講師の横に立っていた若い男が頭を下げた。
「おー!」食堂が拍手で沸いた。
「あのGT−Rじゃ、誰も抜けないって。」ジンがレース仕様に仕上げられたGT−Rを思い出して苦笑いした。


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10.A級ライセンス(2)


「それと、参加者の皆さんの中でベストラップを叩き出したのは・・・、」と、講師がリストを指で辿りながら、
「ゼッケン36番です。田町君の2秒落ち。これ、とんでもない速いタイムですよ。」と、ゼッケン36番のドライバーが何処に居るか探すように言った。
「え、俺たち!?」モトハルが自分の事のように声を上げた。
「クルマは・・・、マチダ・デミオですかぁ!?驚きですね。」講師が、声を上げたモトハルに向かって拍手を送った。
「おー!」再び食堂中が拍手で沸いた。
「凄いな、おい。デミオでかよ。」
「あの、営業車の人たちだよね?」
 信じられないという声があちこちから聞こえた。
「やっぱり腕だね、腕。」モトハルがジンと新田に向かって嬉しそうな顔をしていた。
 新田とジンは、苦笑いしながら食事を続けた。


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10.A級ライセンス(3)


 翌日は早朝から合宿所を出て、北海道モーターパークのパドックに参加者全員が集合した。
 午前中に模擬レースを終わらせて、再び合宿所に戻り、午後から筆記試験を行うスケジュールになっている。
 前日のように、車の点検のために係員が回ってきた。
「このクルマですかぁ・・・。まるっきりノーマルってわけではないですよね?」と驚いていた。
 他にも合宿参加者が次々と見物に来た。
「ほら、営業しろよ。龍。」モトハルが不機嫌そうに車から荷物を降ろして、模擬レース前の準備を続けている。
「なんだ、まだ機嫌悪いのかよ。」ジンが笑って新田の顔を見た。
 新田は困った顔をするしかなかった。
 昨夜の夕食後、貼り出されたタイムアタックの結果を見たとき、2行目の『No.36』と書かれた横には『新田 龍』の名が並んでいた。
「え!?」ジンも、もちろんモトハルも、そして新田自身が目を疑った。
 あれほど緊張していた新田が、先導車の次に速い、いや、参加者の中で一番速いタイムを出したドライバーだとは思ってもいなかったからだ。
「筑波の話、まんざらウソでもなかったんだ・・・。」ジンは新田の横顔を見つめていた。
 新田は正直に言って、何故そこに自分の名前が記されているのか理解に苦しんでいた。


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posted by 北乃 道晴 at 17:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 10.A級ライセンス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする




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