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2009年08月27日

15.暗中模索(7)


「時間が惜しいからね。こちらがリュウ・ニーダ。全くの初心者なんだけど光るモノを感じててね。ぜひ、エマーソンの目で見て貰いたいんだ。」と田村が新田を紹介した。
「初めまして、ニーダです。」新田が挨拶した。
「ニーダ。このスクールで大化けしてくれるかな?」エマーソンが大きな笑顔で握手してきた。
「ベストは尽くしてみますよ。」答えた新田も握手に応じた。
「せっかくだから、少し走ってみるか?あそこのフォードで今から少し走っていいよ。」エマーソンがパドックに停めてあった年代モノ・・・ボロボロの、箱車のフォード・エスコートを指差した。
「うん、借りよう。僕も横に乗せてもらうよ。早く雰囲気に慣れてもらいたいしね。」田村はすぐにスクールからヘルメットとグローブを調達して、フォード・エスコートをピットレーンに乗り入れてきた。
「30分ほどコースが空くから、好きに走ってくれていいよ。ちょうどブリーフィングタイムだから。」エマーソンがエスコートに乗り込もうとしている新田と田村に向かって言った。
「サンキュー、エマーソン。じゃ、新田さん。軽く走って来ましょう。」田村が前方へ指を伸ばした。
 運転席の新田が頷くと、ピットロードをゆっくりとフォード・エスコートが走り出した。
 田村がスクールから借りてきたヘルメットにはインカムが備わっているため、レーシングスピードで走行している間も二人は会話することが出来た。


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posted by 北乃 道晴 at 08:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 15.暗中模索 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

15.暗中模索(8)


 2周ほど走ると、「現状レベルで、自分なりのベストタイムを出すつもりで走ってみてください。」と田村の声が新田の耳に届いた。
「わかりました。」落ち着いて新田が答えると、フルスロットルでエスコートを走らせ始めた。
『思ったより軽く加速するなぁ。』使い古された外観を思い出しながら、それを払拭するようなクルマの速さに新田は感心した。
『ブレーキはどうかな?』ストレート・エンドでフルブレーキを試す。大人二人を乗せているにもかかわらず、強力な制動力を備えていることがシートベルトの締め付け具合によってハッキリと判った。
『かなり本格的に改造されているんだな・・・。』少しずつエスコートの高いポテンシャルを感じ始めた新田は、コーナーを立ち上がると次のストレートで左右に大きくクルマを揺さぶってみた。
 十勝の短期合宿で使用したFJ1600とは明らかにレベルは違うが、しっかり路面に食い付く感触が伝わって来る。
「じゃ、行きますね。」新田はインカムを通して田村に告げると、攻撃的なタイムアタックを始めた。
 それから3周ほど走ると、「もっと縁石に乗り上げちゃっていいですから、コース幅をめいっぱい使ってさらに攻め込んでみてください。」と田村から指示が出た。
『こんな素人の横に乗っていて、良くこれほど落着いていられるもんだな・・・。』感心しながら、新田は田村の指示に従い、車が大きく傾くほど縁石の奥まで車を乗り上げてタイムアタックを続けた。


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posted by 北乃 道晴 at 12:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 15.暗中模索 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

15.暗中模索(9)


 30分以上経った頃、ブリーフィングを終えたエマーソンとスクール生がピットに戻って来た。
 ちょうど新田と田村もピットに戻って、クルマをパドックへ戻そうとしていた時だった。
 エマーソンが手を伸ばして、パドックへ出て行こうとしているフォード・エスコートを制止し、それと同時に田村が開いた助手席の窓から声をかけた。
「少しは慣れたかい?」
「多少は走れるようになったと思うよ。」田村がヘルメットの中から答えた。
「それじゃ、明日からよろしく!」エマーソンが新田の方へも声をかけた。
 新田はエマーソンの方を見て、ヘルメットを前後に振った。


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posted by 北乃 道晴 at 17:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 15.暗中模索 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする




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