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2009年10月19日

36.永遠の日常(23)


 新田は米国の心臓移植学会が開催しているワールド・ハート カンファレンスに出席していた。ゲスト・スピーカーとして壇上に立ち、
「インターナショナル・セーブハート財団を創設するに当たり、本学会にも多大なご協力を賜り、心から御礼申し上げます。」と切り出した。
 会場からは大きな拍手が沸いた。
 あおいにも、みくにも、何もしてやれなかった・・・。
 新田にとっては罪滅ぼしでしかなかったが、財団設立を全て自分の力で纏め上げることに尽力していた。
 国連、赤十字、各国の医学会までも動かすことが出来たことは、新田にとっても奇跡としか思えなかったが、一つのムーブメントを作り上げることになった。
 日本でもこの動きに大きな反響がおきて、すでにある移植関連の法律の改正法案検討が動き出した。
 脳死は死である。そんな冷たい一言で全てを決めるのではなく、また、慎重すぎる判断で移植機会そのものを失うのでもない、医療現場の患者、意思達の声を反映したルール作りが異例の早さで始まったのだ。
 新田も治療費支援の一助に・・・と始めた財団立ち上げの試みだったが、困った時はお互い様・・・という万国共通の文化的視点をあらためて見直そうとするムーブメントに共感して、数多くのイベント活動に出資・参加した。
 インターナショナル・セーブハート財団の原資は新田の資産の80%、そしてあおいが残したライセンス料全額が投じられている。


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posted by 北乃 道晴 at 21:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 36.永遠の日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

36.永遠の日常(22)


「ニーダ?ちゃんと食事摂ってるんでしょうね?」ミッシェルの声が繰り返し留守電に残されていた。
「夜の友達なんか作ったらただじゃ済まないんだからね。」このセリフも常に一緒に録音されていた。
 ミッシェルは半年ほどパリに住んでいた。新しいアトリエを立ち上げて、新拠点として稼動させるつもりらしい。またこの機会に、ブランド全体の名称を正式に”アオイ”に統一した。
 平均売価が120万円以上するモデルばかりだが、ミッシェルのリリースするバッグはは途切れること無く数年先まで予約が入り続けている。
 最近ではあのエルメスとのコラボレーションも実現し、名実共に真のトップブランドとして評価されるようになっていた。
「F1ドライバーとの関係はどうなってるんですか?」ファッション誌からも、注目のゴシップ・インタビューを受ける機会が増えてきたミッシェルは、
「寂しい時だけ一緒に寝るの。それだけの関係よ。」と、はばかること無く答えるようになっていた。


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posted by 北乃 道晴 at 19:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 36.永遠の日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

36.永遠の日常(21)


「日本人オーナー、F1へ!」の見出しがメディアを一斉に賑わせたのもこの頃だった。
「日本、海外の主要自動車メーカーが業績不振で撤退する中、日本人オーナー田村氏が率いるBRA−F1が来年のシーズンからF1シリーズへ本格参入することが決まった。チーム運営が独特で、多国籍スタッフと多国籍技術を集約しており、マシン開発もチームだけで無く自動車メーカーや電機メーカー等々との協力体制を敷く。・・・。」
 プレスからの質問に答えた田村の言葉も興味深いものだった。
「ストップ ザ・ニーダ。彼を止めなければF1に参戦したことになら無いでしょう。そして、自動車メーカーがF1チームを率いるのではなく、F1チームが自動車メーカーやその多大企業を活用してリーダーシップを発揮するスタイルを本格的に展開して行きます。」
 F1界の巨人となったレーシングドライバー新田に対するライバル提供と世代交代。そしてF1ワールドチャンピオンシップを取り巻く経済情勢を乗り越える運営手法の提言。これが田村の狙いだ。現在のF1を根底からひっくり返す意図が表れている。
 久しぶりに見せた田村の強気発言は、これまでのものよりも明らかにスケールが大きくなっていた。


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posted by 北乃 道晴 at 12:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 36.永遠の日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする




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