モータースポーツ 人気ブログランキングへ


<サイト内検索>



2009年10月18日

36.永遠の日常(20)


「市長!なんだその言い草は。」当然のように、そして待っていたかのように、すかさず不信任決議案の提出を唱え始める議員が立ち上がった。
 しかし柿崎はさらに大きな声で怒鳴り返した。
「言われて悔しいなら、道民としてすべきことをして見せろ!」まるで爆発音のような音が会議場全体に響き渡った。
 静まり返った議員席に睨みを利かせて、そしてすぐに穏やかな動作で議長に礼をして、柿崎札幌市長は壇上から降りた。
「EVコンバート技術の普及とEVチャージ・ステーションの市内インフラ整備が終わったら、すぐにでも辞任してやるよ。」柿崎は吉森にいつものように言っていた。
「長になったからって一人で何でもやろうって考えが間違えてんだよ。俺はEV普及と収益の基本構造を作ることしかやるつもりは無いね。だから、さっさと済ませて次の市長にこの椅子を明け渡すさ。」
「あと少し・・・かな。」吉森は会議場で再び立ち上がった柿崎を眺めていた。
 賛成多数で議会承認を受けた柿崎は議員席に向かって深々と頭を下げていた。


落天rakutenの砂時計 > トップページへ


posted by 北乃 道晴 at 23:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 36.永遠の日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

36.永遠の日常(19)


 柿崎は札幌市議会の中央壇上に立っていた。補佐役の吉森が、会議場の片隅から柿崎を見つめている。
「新しくEV開発推進室を開設したことを報告いたします。」マイクに向かって淡々と述べる柿崎のセリフを遮るように、
「財政問題が先だろ!」
「福祉局の補助金不正支払いの責任はどう取るつもりだ?」
と、一斉にヤジが飛び交った。
 吉森はまた無駄な時間が費やされる・・・と渋い表情に変わった。
 その時、
「黙って聞けっ!」とスピーカーがハウリングを起こすほどの大声で柿崎が答えた。
「お前さんたちが過去10年で何も変えられなかった札幌を、2ヶ月でこれだけ変えたのは道民全員の力だ。ここでオレに向かって無駄口を叩いている元気があるなら、外でもっと具体的に貢献してみろ。道民代表ってことは、道民そのもののはずなんだぜ!」
 さすがに柿崎の発言は、議会の壇上で口にすべき大人のセリフではなかった。


落天rakutenの砂時計 > トップページへ


posted by 北乃 道晴 at 21:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 36.永遠の日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

36.永遠の日常(18)


 半年後。
「社長!今度入ったEVコンバートの新規依頼、今月末までに20台だって!?」ノブが血相を変えてジャパン・ビークルの事務所に入ってきた。
「何とかしてやろうぜ。ぞれがうちのモットーだからな。」そう答えたのは長谷だった。
「千歳の方も手が足りないって大騒ぎしてますよ、社長。」ノブが長谷に向かって強く答えた。
「さっき電話で、騒いでもいいから手を休ませるなって言っておいたよ。俺も今から千歳へ応援に行くから。」長谷は椅子の背もたれに掛けておいた作業着を手に取り、ノブと一緒に事務所を出た。
「市長が補助金政策なんか始めるから、仕事が増えてたまらないよな。」長谷は苦笑いするとノブの肩を叩いて、待機していた数名のメンバーと共に駐車場へと向かって行った。


落天rakutenの砂時計 > トップページへ


posted by 北乃 道晴 at 19:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 36.永遠の日常 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする




楽天 ネックレス
エコバッグ
エルメス
ヘヴン ← H21日本文学館出版大賞ノベル部門特別賞
モータースポーツ 電動レーシングカート

×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。